圧倒的な情報量で畳み掛ける一冊。ただでさえ600ページ超の長めの小説ではあるが、その600ページの密度がまた高い! 後々の「伏線」や「情報の補足」として機能してはいるものの、冒頭から70ページ過ぎまでほぼ「与太話」という構成には驚愕です。 ミステリーとしてみた場合、“能力者”的な存在が何人かいるのはズルいし、関口が“見えなかったモノ”にちょっとモヤっとするし、後半の展開はほぼ「後出しジャンケン」的だし、状況説明の何もかもを全部言葉で説明しちゃう作品で、トータルで見ると全然好みじゃないし、ミステリーとしての精度は高いとは言いがたい。 それでも、有無を言わさぬ情報の「絶対量」に飲み込まれてしまい認めざるをえない、という一冊だった。
![ultimate-ezさんの感想・レビュー](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/46e6d3d0a3d4ce8cc7f9c718efc5ccca64924086/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fm.media-amazon.com%2Fimages%2FI%2F41JIvydMknL._SL500_.jpg)