グリコ森永事件をモチーフにしたミステリー。事件で使用された"子供の声で録音された犯行声明"のマスターテープを自宅で見つけてしまい、その声が自分の幼い頃の声であることに気づいた30代の男の葛藤から物語はスタートする。 もう一人、新聞記者としてグリコ・森永事件を追う第2の主人公も30代で、自分と同世代が主人公ということで親近感を覚える作品だった。 主人公たちと同様、私はグリコ・森永事件になんとなくの情報しか持ち合わせていないため、"一体どんな事件だったのか?"という点から物語を追えるのも読みやすかった。 (逆に、すでに事件についてある程度以上の知識や情報を持っている人にはかなり冗長に感じられると思う。) かすかにしか覚えていない"昭和"という時代の息遣いを感じながら、誠実にリアリティを重ねて真相に迫る描写が素晴らしい。ミステリーの醍醐味のひとつでもある"大どんでん返し"はなく、物語が沸騰するよ
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