伝統的な経済学のように合理的な経済人を想定せず、実際の人間による実験やその観察を重視し、人間がどのように選択・行動し、その結果どうなるかを究明することを目的とする行動経済学。 その第一人者として知られるのが、『予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』『不合理だからすべてがうまくいく―行動経済学で「人を動かす」』などの著作があるデューク大学のダン・アリエリー教授だ。 同氏は高価な偽薬(プラセボ)は安価な偽薬よりも効力が高いとを示したことから、2008年にイグノーベル賞※医学賞を受賞。「我々は本当に自分で決めているのか?」と題して2009年にTEDで行った講演は非常に話題となり、公式サイトでの再生数は80万回を超えている。 不合理にはすばらしい側面も ――行動経済学をどのように定義していますか。 ダン・アリエリー 伝統的な経済学では、人々は合理的、理性的な判断のもとに
![行動経済学は社会を変えられるか?――イグノーベル賞教授ダン・アリエリー氏に聞く](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/550cbe8e66d82ad7c8a7bb17722e50657b56a2b6/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimage.itmedia.co.jp%2Fmakoto%2Farticles%2F1112%2F14%2Fah_dan1.jpg)