六カ国協議の開幕式で最後に現れ席に着く北朝鮮の金桂官外務次官=3月19日、北京の釣魚台迎賓館(共同) 北朝鮮の生き残りをかけたシナリオは、複数の果樹園をたどる「みかん狩り」に似ている。初めは小さな「みかん」しかない果樹園を訪ねるが、次第に大きな実が生るみかん園へ。どこかで雨が降りだし引き返すことになっても、途中までに採った「みかん」はすべて家に持ち帰ってよい、そんな手堅いツアーだ。 韓国からの援助引き出す 六カ国協議で「米朝和解」が唱えられた直後、韓国の盧武鉉政権はただちに対北援助に乗り出した。北の核実験後、世界から「対北軍事支援」と疑惑の目で見られた金剛山観光や開城工業団地を通じての援助も、「和解」により当分は歯止めがかけられる可能性は低くなった。盧武鉉政権は、3月末に合意した米韓FTAをもテコに政権を交代する来年初めまで、あらゆるルートを通じて北朝鮮への援助を拡大していくだろう。