約3年前、病気で突然の余命宣告を受けた30代の女性経営者が、外見では分からない病気や障害があることを周囲に知らせる「ヘルプマーク」の普及に取り組んでいる。家族らの支えに幸福を感じながら、「今日一日を大切に」との思いを胸に前へ走り続けている。 「余命は5年です」 2014年8月18日、三重県四日市市の小崎麻莉絵(こざきまりえ)さん(34)は医師から告げられた。骨髄異形成症候群。血液が正常につくれなくなる病気だ。完治にはリスクが高い骨髄移植と抗がん剤治療が必要と告げられた。 31歳の誕生日を迎える前日のことだ。「どうやって伝えればいいんだろう」。最初に思い浮かんだのは両親の姿だった。「やっぱコワイ」。その晩、泣きながら日記を書いた。 四日市市出身。県内の大学を卒業後、複数の会社を経て、28歳の時に名古屋市でホームページ制作会社を設立。久々に受けた健康診断で異常が見つかった。 入院後、トイレに行