コスプレの闇 いまや国際語となった「コスプレ」。ディズニーやマーベルコミックスが世界の漫画・アニメ界を支配していた時代には、ほとんど存在しなかった「お気に入りのキャラクターになりきる」という作品とのつきあいかた――だってミッキーマウスやドナルドダックやスーパーマンのコスプレが、どれほどポピュラーだったろうか――を生み出したのは、日本の漫画やアニメが、アメリカン・コミックスとはまったく別種の力学を持ってきたからではないか。 アメリカには昔からSF関係のコンベンションなどで、『スタートレック』や『スターウォーズ』のキャラクターに扮装して雰囲気を盛り上げるマニアたちがいた。日本でも1970年代のコスプレ黎明期には、そうしたSFファンたちによる小規模なコスプレ・シーンがあり、またいっぽうでは1970年代からスタートした『コミケ』に代表される同人誌サークルでも、『ルパン3世』や『うる星やつら』のラム