はじめにシルバー民主主義が存在するとすれば、それは「民意」が高齢化することで生じるはずである。政治家や政党は民意を無視しては存在できず、民意が高齢化しているのであれば、それに従うのが自然だからだ。 ここではやや乱暴ではあるものの、民意の高齢化を表す代理指標として、投票者のうち非高齢世代に対する高齢世代の割合を採用した。 民意の高齢化=高齢世代投票者/非高齢世代投票者 民意の高齢化の現状上のように定義した民意の高齢化の推移を、衆参選挙に分けて試算したものが下記のグラフである。なお、ここでは高齢世代の定義を、(1)年金給付が開始する65歳以上、(2)年金を受け取るまではまだ少しあるものの多くがいったん退職する60歳以上、(3)多くが子育てを終え社会保障給付に関心が移りだす55歳以上、とした。 民意の高齢化の推移(左図:参議院議員選挙、右図:衆議院議員選挙)まず、衆議院議員選挙の場合、一貫して民