「身体・知的障害者に適用されている割引運賃が、精神障害者だけない」。精神障害がある室蘭市の男性(60)から、特報班にこんなメールが届いた。調べると、JR北海道のほか、道内バス会社の3割は「経営難」などを理由に精神障害者を割引対象にしていない。 昨年4月、国が企業や自治体に義務づける障害者の法定雇用率の算定対象に精神障害者も加えられ、身体・知的・精神の「3障害平等」が進められる中、料金格差が続く背景を追った。 「精神障害者への支援を後回しにしないで」。札幌市中央区の大通公園で8月上旬、同市厚別区の男性(41)は汗をかきながら、精神障害者にも割引料金を全面適用するようバス事業者などに求める署名活動を行った。 精神障害者団体の事務局で働くこの男性も当事者。市営地下鉄や市電の運賃が4月から精神障害者も「やっと」半額になったが、喜びも半分、バスは普通運賃のまま。周囲では「交通費の負担が大きい」と福祉