小林正弥著『サンデルの政治哲学』平凡社新書、を読みました。 NHKの「ハーバード白熱教室」でブームを起こしたサンデル教授の哲学的立場を明らかにする本です。 息子が「白熱教室」を見て哲学に興味を持ち、受験勉強の合間に本を読んでいます。 私も付き合いで、同じ本を読み、2人の読書会みたいなことをしています。 本書は、そのきっかけとなったサンデル教授の「正義」についての解説書です。 >ロールズをはじめとするリベラリズムは、倫理性と切り離した正義という観念を提起して、人間が合意することができるものと主張した。この場合の「Justice」は、日本語の正義における「義」というような倫理性はもたず、むしろ司法や法律において正しいと判断されることという意味が強い。 サンデルが提起している「善ありし正義」という考え方は、いわば「倫理的正義」の考え方であり、これはむしろ古典的な正義の概念である。ギリ