伊万里市に計画された映画界の巨匠の記念館建設計画。「寄付金は凍結している」。市にこう言ってきた黒澤明文化振興財団の「虚偽」の説明は、計画の頓挫(とん・ざ)を恐れてのことだったという。寄せられていた寄付金は約3億8千万円のはずが、大半はもう別に使われていた。「流用を聞いて戸惑っている」と市長。市民からは「もう建設は無理だ」と怒りの声が上がった。市は今後、建設計画について判断する方針だが、厳しい選択を迫られそうだ。「そんなバカな話があるか」。黒澤久雄理事長と財団の実務上の責任者、田畑稔常務理事を呼んで開かれた市議会全員協議会。寄付金の大半が、黒澤明記念館サテライトスタジオの改修費や財団運営費に使われたことが説明されると市議から怒声が飛んだ。財団は市に「寄付金は凍結(保管)している」と説明してきた。だが、田畑常務理事によると、財団にお金がないことが分かれば、今後、世界で協賛金を集めるための協議が