(前半から続く) ―――具体的にはどのようなことか? 「学級制度の廃止だ。この制度自体は他の国にもあるものだが、日本ほど人間関係がタイトで、一つの空間に同じ集団が朝から夕方まで押し込められる例は他にはない」 「あなたの子どもがクラスの誰かから人としての尊厳を踏みにじられるような行為を受けたとする。だが、こうした閉ざされた人間関係にあってはその子は無理に心を屈し、嫌われない努力をするほかない。『迫害してくる相手とは適度に距離を置く』という、一般社会では誰もがやっている心の調節を、子どもにだけ許さないのが現在の学級制度だ」 「本来、机を並べる相手は授業ごとに違っていていいし、いつもの教室で決まった相手と食べる給食ではなく、カフェテリアで気の合う相手と食事をするスタイルでもいいはずだ。部活動にしても学校に頼る必要はない。ドイツなどが典型だが、子供たちはスポーツや文化活動も学校とは別の地域クラブに