政権交代が実現し、民主党が掲げる「高速道路無料化」が現実味を帯びてきた。ところが、トラック運送業界は、この無料化に関して必ずしも歓迎ムードというわけではないようだ。 「暫定税率の廃止には賛成だが高速道路の無料化には大反対」と声を荒げるのは、愛知県で冷凍食品輸送を手がけるA社社長。「ドライバーの労働条件が悪くなるから」だという。同社は、名古屋市から静岡市の物流センターまで東名高速道を利用した11時間の運行計画を立てて運んでいる。 しかし、これが土日になると事情が変わる。「上限1000円になってから一般車による渋滞が慢性化し、13時間もかかるようになった」。さらに、パーキングエリアやサービスエリアなどもごった返し、トラックを駐車するスペースも一般車に占有されているという。無料化が実現すれば、「労働基準法を順守することが困難になる」と社長は懸念する。 北陸地方のB社社長も無料化には反対意見だ。理