普段読む研究書とはやや違う風合いのものを。 武器としての<言葉政治> (講談社選書メチエ) 作者: 高瀬淳一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/10/07メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 2回この商品を含むブログ (8件) を見るこの本は結構書評しにくい。が,たぶんよく安直に語られる「小泉政治」というものを出来合いの理論とは違うかたちで「政治学的に」分析しようとした一つ目の本,というように評価することができるんじゃないだろうか。小泉政権の分析については,他にも『官邸主導』とかそういう優秀な研究があるわけですが,これまでの研究は,どちらかというと,ミクロなアクターの相互作用に焦点が置かれることが多かったと考えられる。それに対して,本書ではもう少しマクロな視点に立って小泉政権の分析が行われることになる。そのときのキーワードが,「不利益分配」と<言葉政治>ということになる