彼は、旅人です。 動物のこと、植物のこと、気象のこと、ものを作る技術、作物を育てる方法、いろいろな国の言葉。 世界中を旅する中で、彼は、じつにたくさんのことを学びました。 そして、笑顔をたたえた彼は、請われるままに、だれにでも、学んだことを親切に教えました。 彼は、請われるままに、自分の目で見た世界中のことを、くわしく話して聞かせるのでした。 どの村でも、暮らしの役に立つことを教えてもらいたいと、彼のもとに人々が集まりました。 どの町でも、わくわくする話を聞きたいと、彼のもとに人々が集まるのでした。 そんな彼が語る話の中で、子どもも大人も、男も女も、裕福な人も貧しい人も、そしてどの国の人も、「なるほど」「やってみよう」と思う話がありました。 それは、『あなたの一日が世界を変える』ということ。 これは、彼が、一人の日本人から教えてもらった話です。 そして、彼が、できるだけたくさんの人に伝えた
2月3日の早朝、夫の父が亡くなった。91歳だった。 最期は苦しむことなく、眠るように逝ったので、大往生というべきだろうが、優しい義父で、慕ってもいたので、悲しくてたまらない。まだ元気だったとき、義父は「たとえ自分に何かあっても、孫を呼び寄せるようなことをしては駄目だよ。若い世代はやることがいっぱいあるんだから」と、言っていたが、肺炎で入院してからずっと大好きな孫に会いたいと思っているのがわかった。 そこで、言いつけを破って、今、英国で暮らしている息子夫婦に連絡すると、すぐに帰ってきてくれた。何もしてあげられなかったけれど、彼らが臨終に間に合ったことだけが、せめてもの救いだ。 お見舞いのはずが臨終に立ち会ったことがあるだいぶ前のことになるが、知り合いのお見舞いに行き、臨終に立ち会ってしまったことがある。具合が悪いと聞いてはいたが、深刻な気持ちはなく、文庫本を持ってお見舞いに行ったら、あろうこ
サイコパスの研究者が、サイコパスであったーーこの衝撃の事実を皮切りに物語は始まる。科学者視点による所見と自分自身のこれまでの体験、二つの視点が交錯する中で際立っていたのは、両者の間に大きな乖離が存在するということであった。 サイコパスの定義とは今日の科学の進展をもってしても、未だ不確かなものである。一般的に「精神病質」と表されるサイコパスの特徴は「平板な感情の動き」に代表される対人関係における共感性の欠如である。映画『羊たちの沈黙』『ハンニバル』に登場するレクター教授のような、古典的なサイコパス像を思い出される方も多いだろう。 だが決して凶悪な殺人犯だけを指すわけではなく、人を思い通りに操縦しようとしたり、嘘に長け、口がうまく、愛嬌たっぷりで、人の気持ちを引きつけたりといった特徴も含むものとされる。むろん著者は人殺しや危険な犯罪を犯したことなどなかったし、それどころか科学者として成功し、幸
久しぶりに本を読みました。新書で「下流喰い」消費者金融の実態、という本。テレビにもよくでている須田慎一郎さんの本。おもしろかったです。 ポイントはふたつ。 (1)消費者金融業界がいかに悪であるか、の徹底的な証明&説明 (2)下流と下流で騙しあう構図の指摘 ★★★ (1) について、非常に具体的でビビッドです。 「サラ金は、資金ニーズがあるから応えているのだ」とか「借りた金は返すべき」という、業者側がよく使う「一見なるほど」な言葉の「大嘘」をきちんとついていて、読み手が確固たる意見を持てるようになります。 また、グレー金利の意味を具体的に計算してみせたり、サラ金の顧客像のデータを明示することで、数字の意味するところがよくわかります。 (2) はユニークな視点。これぞ格差問題、って感じです。 ここでは、「サラ金によって人生を滅ぼされる人」も「サラ金側」も実は「同じ層の人間である」ってことを言っ
良書に出会うとうれしくなる。うれしくなると、140字では飽き足らず長文をしたためたくなる。松田茂樹氏の『少子化論』は、久方ぶりにそんな思いにかられた一冊だった。ちなみにポストの記事名は、本書の没タイトルから拝借した。 日本で少子化対策がはじまってから、およそ二十年。保育所の拡充、育児休業や短時間勤務といった仕事と子育ての両立支援など、政策は一歩づつ前進してきたにもかかわらず、出生率の本格的な回復にはいたっていない。その理由のひとつとして、少子化に取り組む専門家たちによってつくられた「少子化論」の側に問題があったのではないか、と松田氏は指摘する。 ありていにいえば、巷間流布されている少子化論は一定の方向にかたよっていて、そのかたよりのせいで少子化の全体像がみえづらくなってしまっており、もっと本質的な問題がなおざりにされている、ということだ。 こうした問題意識に立ち、松田氏は過去から現在にいた
ここ3、4年のベストセラーランキングをみると、「片づけ」に関する書籍が毎年ランクインしていることに気がつきます。 「かたづけ士」小松易さんの『たった1分で人生が変わる片づけの習慣』、片づけコンサルタント・近藤麻理恵さんの『人生がときめく片づけの魔法』および同書2巻、クラター・コンサルタントのやましたひでこさんによる『新・片づけ術 断捨離』と『不思議なくらい心がスーッとする断捨離』がそれです。書店に行けば、彼(女)らの他の著作、別の書き手による片づけ本、あるいは掃除本をいくつかみつけることができます。 掃除や片づけで人生が変わる、心がスーッとする。分かるような、分からないような気がしますよね。確かに掃除や片づけをすれば物がすっきりし、心もスーッとするという話は何となく分かる。しかし、人生が変わるというのは、どういうことなのか。今週は今挙げた著作を紐解いて、掃除や片づけで人生が変わる、という論
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く