自動車大手で中位に位置する富士重工業とマツダの新車販売が「快走」を続けている。多様な車種をそろえるトヨタ自動車など上位各社とは違い、対象として狙う顧客を絞り込んだ戦略が奏功している。ただ、環境規制への対応では出遅れており、独自性を持続させるには課題もある。 「規模は小さいが、特長を持ち、質の高い企業を目指す」。「スバル」のブランドで知られる富士重工の吉永泰之社長は7日、都内で開いた次世代技術に関する記者会見で、独自路線を進める姿勢を強調した。 スバル車は重心が低くなる「水平対向エンジン」を搭載しており、安定性が高い走りを好むファンが多い。ここ数年は、衝突を回避する運転支援システム「アイサイト」の導入をきっかけに、顧客層を広げてきた。 北米ではスポーツ用多目的車(SUV)「フォレスター」などの販売が伸び、15年の世界販売台数は約98万台と、過去最高を更新した。16年は初の100万台超えを見込