日記, 作り話桜舞い散る春の日差しの下でサチコを見つけたとき,ぼくはサチコが,ぼくの生涯の伴侶となるのだと直感的に思った.そして結果的にそれは正しかった. その日,その瞬間から,ぼくとサチコの共同生活がはじまったのだった.ぼくはサチコを見ているだけで心が安らいだし,奔放なサチコを見ていると,なんだか自分の悩みが馬鹿らしく思えた.その奔放さからかサチコはかなりのワガママで,自分の好物以外は絶対に口にしないという偏食ぶりだった.サチコがうちに来てから,ぼくはサチコのために毎日掃除をするようになった.掃除をするとサチコが喜んだからだ.サチコもそんなぼくを信頼してくれていたと思っていた. ぼくとサチコは,全てを見せ合えた.たった一週間の共同生活だったけど,ぼくはサチコが脱糞するところすら見せてもらった. 今日,サチコが死んだ.サチコはどうやら病気を患っていたようだ.ぼくは全て知った気になっていたけ