宗教法人法に基づく「質問権」を行使した世界平和統一家庭連合(旧統一教会)への調査で、文化庁が初質問で教団から得た回答について、内容が不十分だと判断していることが政府関係者への取材で判明した。教団を巡る高額献金などの金銭トラブルについて、組織的関与を調べる際に必要となる教団の指示系統や資金の流れが明確でないという。不明な部分については、教団に追加資料の提出などの対応を求める構えだ。 宗教法人法は、法人の解散要件である「法令に違反し、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為」などの疑いがあれば、質問権を行使できると規定。文化庁は、霊感商法や高額献金などを巡り、教団や信者らの不法行為責任を認めた民事訴訟の判決が22件あり、損害賠償額が少なくとも14億円に上ることが根拠になると判断し、1996年施行の改正宗教法人法に質問権が追加されて以来、初めて権限を行使した。