不妊治療を続けるなかで受けた精液検査の結果通知、「精子生きてますねー」というドクターの言葉で無精子症の不安に咲いた希望の花は、「たまごクラブ」から「ひよこクラブ」へと繋がっていく喜びの果実は、「精液が少ない」「精子が少ないうえに元気ない」「ご主人EDなんですか…」僕の三重苦をドクターが口にするたびに萎み、終にはすっかり枯れ果ててしまった。 僕の年齢(39才)の平均精液量は1.5ml。僕の精液は0.3mlしかなかった。EDでもあるし自然妊娠はほぼ不可能。こうして、出会い以来一度の行為もない完璧なセックスレスを原因とする、いわば必然の不妊の治療は、人工受精をおこなうに到った。 妻の体調に合わせて精液を注入。僕の、質、量ともに控えめな精液を洗浄、選別し、エリート精子部隊を注入するのである。一週間程度の禁欲を課された。「一週間、我慢ですよ」ドクターの言葉には笑顔で返した。五年に渡るED、妻と一度も