◇希望留年制度、導入増 大学、既卒者へも支援継続 今春卒業した大学生の就職率は前年比で過去最大の下げ幅となるなど、就職事情は厳しさを増している。政府は、新卒者の就職支援を検討する特命チームを首相官邸に設置し、24日に初会合を開いたが、対策がどこまで実効性を持つかは未知数だ。加えて止まらぬ円高が日本経済の前途に暗い影を落とす。卒業単位を取得していても留年を認める希望留年制度や、既卒者対策に力を入れる大学も増えてはいるものの、就職難は展望の見いだせない状況が続く。【井上俊樹、山崎友記子、宮崎泰宏】 「まさかこんな時期まで就職活動をしているとは思わなかった。周りの友達もほとんど決まっていない」 東京都港区の就職情報会社「アクセスヒューマネクスト」で24日開かれた合同会社説明会には、大学4年生約400人が殺到した。参加した埼玉県内の女子学生(21)は、長期化する就職活動に疲れた表情を隠せない