今、GPUがホットである。1チップで1TFlopsを超える性能は驚異的であり、HPCに限らず広く注目を集めるのも肯ける。しかし、GPUを使いこなすためには並列計算に関するより深い理解が求められる。 GPUコンピューティングと並列計算(PDF/527KB) “フリーランチは終わった。”これはGeForceの父と呼ばれるデヴィッド・カーク博士の言葉である。コンピューターの性能向上は常に日進月歩という枕詞が冠せられてきたが、ここ数年その中身が大きく変ってきた。従来は半導体の微細化→CPUの高クロック化という流れで演算速度が向上してきたが、リーク電流の増大に伴いクロックの向上は頭打ちになってきた(図表1)。一方、微細化はいまだムーアの法則に従って順調に進んでおり、CPUベンダーは性能向上の手段を高クロック化からマルチコア/メニーコア化による並列計算へと大きく舵を切った。先のカーク博士の言葉は、これ