小山昌宏「戦後「日本マンガ」論争史」を読んで再びマンガ系サイトを思ふ この本は、大衆文化論やマンガ表現論を専門とする小山昌宏氏が、タイトルどおり戦後交わされたいくつもの論争の中から8つを選び、両者の対立を両論併記することで比較検討し、そこから何が考えられるかということを真剣に書き綴っている。それこそマンガ俗悪論から最近の論争(と著者が位置づけた対立も含む)までを網羅した、戦後、マンガがどのように語られ、どう受容されていたのかを考える上ではもちろん、今現在・未来のマンガの語り方についても考えされられただけに、非常に興味深く読むことが出来た。論争でどちらが勝ったのかという興味本位を排し、何が生まれ私達はそこから何を学ぶべきかという建設的な記述を多く見ることが出来る。 それぞれの論争を以下に列挙しよう。 1 石子順造×石子順 2 手塚治虫×水木しげる 3 松沢光雄×斎藤正治 4 稲葉三千男×津村