(2015年1月28日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 時として、正しい行動は賢明な行動だ。今のギリシャは、これに当てはまる。適切に実行されれば、債務削減はギリシャとその他ユーロ圏諸国に恩恵をもたらす。困難を生み出すだろうが、ギリシャを見捨てることで生じるリスクよりは小さい。 残念ながら、そのような合意に達するのは不可能かもしれない。ユーロ圏の危機が終わったという考えが間違っているのは、このためだ。 SYRIZAの勝利が何ら意外ではない理由 ギリシャの急進左派連合(SYRIZA)の勝利に驚いた人などいないはずだ。「景気回復」の最中にあって、ギリシャの失業率は労働力全体の26%に上り、若年失業率は50%を超えている。国内総生産(GDP)も危機以前のピークを26%下回っている。 だが、この場合、GDPは経済的厚生の低下を示す指標として極めて不適切だ。ギリシャの経常収支は2008年第3四半期に