総額が過去最大の96兆円となる2014年度政府予算案が閣議決定された。過去にさかのぼって当初予算をグラフにまとめてみると、日本社会の変容や課題が浮き彫りになる。元財務官僚で経済学者の小黒一正・法政大経済学部准教授に、解説してもらった。■増える社会保障、予算を圧迫 グラフを見ると、年金、医療などに関わる社会保障関係費が増える傾向にある一方で、インフラ整備のための公共事業関係費など、その他の支出はほとんど一定のままです。高齢者が増え、予算を圧迫しているのが明らかです(グラフ1)。 予算は限られていますし、少子化で人口が減っている中で、公共事業で何でもつくっていいわけではありません。しかし、インフラ整備には将来の備えの意味もあります。何もしなければ、道路も橋もやがてぼろぼろになるからです。選択と集中で、将来も必要なものの維持や整備は進めないといけません。 サザエさんに例えましょう。テレビでは波平