童話「ひかりの素足」と「銀河鉄道の夜」は、二人の子どもが図らずも死後の世界へ行って、うち一人はそのまま死の側に残り、一人だけが帰ってくるというお話です。作品世界の設定は、一方は岩手の方言が話される山村、他方は星祭りの行われる異国(?)ということで、雰囲気は対照的に異なっていますが、物語の骨組みは同じなのです。 さらに骨組みだけではなくて、その「死後の世界」の描写の細部にも、よく似たところがあります。 例えば、まず「ひかりの素足」に出てくるボール投げの話。 一人が云ひました。 「こゝの運動場なら何でも出来るなあ、ボールだって投げたってきっとどこまでも行くんだ。」 一方、「銀河鉄道の夜」では・・・。 〔以下原稿一枚?なし〕 「ボール投げなら僕決してはづさない。」 男の子が大威張りで云ひました。 次には、「ひかりの素足」に出てくる「巨きな人」が言及する不思議な本。 その巨きな人はしづかに答へまし
![なぜ往き、なぜ還って来たのか(1)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/3727fe6535f4d3d683b3eb95324efff3da70b28b/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fihatov.cc%2Fblog%2Fmt-static%2Fsupport%2Ftheme_static%2Frainier%2Fimg%2Fsiteicon-sample.png)