メクラチビゴミムシはチビゴミムシ亜科のゴミムシのうち、地下生活に強く適応した結果複眼を失った一群の総称である。かつては洞窟で進化した洞穴生物と考えられた。しかし、洞穴生物学の研究の進展により、土壌より下層の地下浅層と呼ばれる層で、風化した岩石の間に形成された間隙に適応して進化した昆虫であり、洞窟以外でも地下の広い範囲に生息することが明らかになった。 地下浅層の岩石間の亀裂のネットワークに生息するため地域ごとに個体群が隔離されがちで、狭い地域ごとに固有種が種分化しており、日本だけでも2族30属300種以上が確認されている。 いわゆる洞穴生物の通例の通り目が退化しているが、その代わりに感覚毛が長く伸びて発達している。 メクラチビゴミムシ類など洞穴性の甲虫の研究は、元国立科学博物館の上野俊一の洞穴生物学の研究で重要な位置を占めており、彼の一連の研究によって洞穴生物の生物学上の位置づけに新しい視野