詩人になりたかったら 詩をかかないで スペイ川の水を飲み ライ麦パンを喰べて 黒ツグミの歌を歌うこと カレンダーは果実 そうすれば長生きするし長生きすれば だれだって詩人になれる ぼくのことを パーじいさんなんて呼ぶけれど ぼくにだって青春はあったのだよ 一〇五歳のときの恋愛はすばらしかったな 田村隆一「夜明けから夢がはじまる」部分 田村隆一といえば酒である。その土地、その土地の酒がよいのだと詩人はいうけれど、オールド・パーの印象が強い。パーじいさんが詩人だというのは、ウェストミンスター寺院の墓の分類で、詩人のところにあったからだそうだ。 オールド・パーの一番安いやつはそれほど高くもないけれど、安くもない。同じだけのお金を出すならラムとテキーラを一本ずつ買うか、癖のあるシングル・モルト・ウィスキーを一本買うだろう。でも、一本もオールド・パーを飲まないで死ぬのもどうかと思ってはいた。 リキュ