「アニメーターは薄給なので、食べていかれない」という話をたまに聞くが、80年代初頭から活躍しつづけている横山健次さんは「仕事」に徹して原画を描きつづけているベテランである。「SLAM DUNK」「ONE PIECE(ワンピース)」といった有名原作のテレビアニメでは、30分間の原画をたったひとりで描いてしまうほどの実績を持つアニメーターだが、その態度はどこか飄々(ひょうひょう)としている。 最近ではオンラインコミュニティも主催しているという横山さんに、アニメーターを「仕事」として長くつづけるコツをうかがってみた。 就職活動の始まるころ、足をケガしたことがきっかけで、アニメの手伝いをやってみた ── 横山さんは大学では経営学を専攻していたそうですが? 横山 ええ、横浜国立大学の経営学部に通っていました。野球部に所属していたのですが、練習中に足を怪我して、2か月ほど大学を休むことになってしまった