じいちゃんが、昨日の夕方に旅立った。 この一年近く、子供の頃と同じくらいしょっちゅうたくさんじいちゃんのそばにいた。ラッキーなことに私は仕事を減らし、時間だけはたくさんあった。 じいちゃんは車いすにも座れなくなって、声も出なくなって眠っていることも多かったけど、でもじいちゃんはいつだって新しかった。 私が持っていったバムとケロの絵本を気に入って、音読すると興味深そうに目で絵を追っていた。 ママが持ってきた世界の美しいお城の写真集もずいぶんぶあついのに最初から最後までページをめくってもらってずっと眺めていた。 ミイラの飛び出す仕掛け絵本に目を丸くしていた。 じいちゃんは絵を描く人だったから、塗り絵帳を開いて色鉛筆を渡すと震える細い手で、すっすっと線を引いた。 「またね。また来るね」 と言うと、頷いた。 元日の朝、会いに行った時に「じいちゃん、お年玉ちょうだい」と私が言ったら目を見開いたのがお