先日,あるベンチャー企業の経営者に取材したときに,面白い話を聞いた。その企業は新しいサービス形態で急成長している流通業で,会社の成長に基づいた新しい情報システムの導入を計画中だった。このため,複数のベンダーの営業部員がシステム提案に訪れていたが,示された提案書は各社とも同じような内容だったという。 「ウチのパッケージには,こんなに多くの機能があるとか,使えばこんなメリットがあるとか,自社の商品を売るという姿勢ばかり。出来合いのパッケージを提案されても,当社の事業形態には合わない。私がシステムに望んでいるのは,当社が現在抱える悩みを解決してもらうことなのに」と,この経営者はこぼす。 ベンダーからは「ソリューション」という営業スタイルが聞こえてくるが,肝心の提案書の内容を見ると自社の商品の宣伝文句で埋められている場合が少なくない。「いかにコストをかけずにソリューションを売るか」を主眼に置けば,