ブックマーク / cogdiv.wordpress.com (4)

  • 大学の障害学生支援室は書籍を電子的に複製する権利があるか?

    表題の件について,ある大学の障害学生支援室関係者より質問を受けたので,「大学の障害学生支援室の行う支援と著作権」のみについてここにまとめておきます(初等中等教育の教科書に限っては,教科書バリアフリー法があるのでまた別の議論となります)。 一般的に,障害学生支援室は,視覚障害など,何らかの読むことへの障害のある学生の支援にあたる場合,その学生が必要とする書籍を電子的に複製するという作業を行います。 具体的には,障害学生支援室のスタッフが書籍をスキャンして画像としてコピーし,OCRにかけ,テキストデータに変換したり,単にスキャンした書籍を画像やPDFとしてパソコンで閲覧できるようにしたりという作業になります。 このように,紙の印刷物から,音声読み上げや点字への変換,文字サイズなど見た目の変更などの機能を持つ支援技術と組み合わせて使用するために,アクセシビリティの確保に役立つ形式へ変換すること(

    大学の障害学生支援室は書籍を電子的に複製する権利があるか?
  • 米国の小中高での電子教科書の利用(3)

    「ブックシェアとは?」 さて,前回,前々回と,障害のある児童生徒の電子教科書利用について,シアトル公立学区やスノホミッシュ学区ではブックシェアが利用されていることを紹介しました。今回は,このブックシェアについて具体的な説明をしたいと思います。 端的に言えば,ブックシェアとは,印刷された文書を読むことに困難のある障害者(People with Print Disability)のためのネット上の電子図書館です。ベネテック(Benetech)という米国はカリフォルニア州パロアルトに拠地を置くNPO法人が,そのプロジェクトのひとつとして行っています。 Benetech http://www.benetech.org/ Bookshere http://www.bookshare.org/ ブックシェアは,最新の書籍を含む様々なタイトルの書籍を,障害のある人が読書するのに便利なデータ形式(テキス

    米国の小中高での電子教科書の利用(3)
  • 米国の小中高での電子教科書の利用(2)

    スノホミッシュ学区での読み書き支援 米国での障害のある児童生徒のための電子教科書利用の例として,スノホミッシュ学区の例を取り上げます。前回の記事は,こちらをご覧下さい。 このスノホミッシュ学区(Snohomish School District)は,小学校10校,中学校と高校が各2校ずつの計14校からなる比較的小規模な学区です。また,この学区が所属するスノホミッシュ郡の一部(全体ではない)の人口は3万人以上,K12(幼稚園から高校3年までの教育課程)の学生数はおよそ9,500人で,カバーする面積は165平方マイル=約265平方キロ。日でいえば静岡県の掛川市くらいの広さでしょうか。ちなみに掛川市の人口は12万人とのことなので,やはり日に比べると随分人口密度は低いようです。 スノホミッシュ学区の統計情報 http://www.sno.wednet.edu/index.php/distric

    米国の小中高での電子教科書の利用(2)
  • 米国のK12(小中高)での電子教科書の利用(1)

    日,昨日と,シアトルや,その周辺のSchool districtを再び回って,支援技術担当者に会ったり,小学校を見学してきました(日の某研究所からの先生二人から見学依頼があったので,先生方もお連れして訪問しました)。Snohomishの方は以前も伺っていて,学校にも訪問して担当者のこともよく知っていますし,とても進んだ取り組みを初めておられるので印象深く忘れそうにないのですが,Seattle Public Schoolsの方が初めて伺って,今回は担当者に会うのみで学校に訪問するセッティングも間に合わなかったので,忘れないうちにメモしておきます(随時追加予定)。 結論から言えば,今回見学したSeattleとSnohomishでは,「BookshareのテキストDAISYをダウンロードして,音声読み上げ機能のあるATソフトウェアで読む」というやり方が基でした。 基情報 最初に訪問したの

    米国のK12(小中高)での電子教科書の利用(1)
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