今回から数回にわたって、仮想化ソフトウェア「Xen」を用いたシステム構築についてご紹介します。 ご存じの方も多いと思いますが、Xenは、オープンソースで提供されている仮想化ソフトウェアで、手軽に仮想マシンを実現する手法として注目されています。この連載ではその概要については割愛し、システム構築の現場で、実際にどのように仮想化システムを設計・構築・運用していくかという実践的な部分に焦点を当てて解説を進めていきたいと思います。 初めに、XenをインストールしてゲストOSを動かすまでの基本的な手順を紹介したいと思います。ゲストOSを稼働させ、Xenの基本的なセットアップ方法を把握したところで、次回以降、実際の仮想化システム構築のプロセスを、パフォーマンス検証結果などとともに紹介していきます。 なお、今回は仮想化環境のプラットフォームとしてRed Hat Enterprise Linux 5(以下R
Xenによるサーバ仮想化の恩恵は、既存のサーバの統合だけにみられるわけではありません。例えば開発環境の構築においてもXenはその力を発揮します。もちろん、Xenのような仮想化技術を使わずとも複数のサーバを用意したり、リムーバブルHDDケースのようなものを利用してHDDを差替える…といった方法でも複数の開発環境を持つことはできますが、Xenを利用することによる手軽さは比較するまでもないでしょう。 さて、Xenを利用する場合、仮想サーバのディスクをLogical Volume Manager(LVM)やディスクイメージの形で設定することが多いと思います。パフォーマンスの面からもLVMを利用した仮想ディスクでの運用をお勧めします。どちらにしても簡単に仮想ディスクのコピーをとることができる点が特徴です。 これはバックアップが簡単に取れるということだけでなく、同じ環境を簡単に作ることができるとい
Xenは,英国ケンブリッジ大学コンピュータ研究所で,広域分散コンピューティングのインフラ作りを目指す Xenoserverプロジェクトから生まれた。2005年にはXenをベースとしたエンタープライズ・ソリューションを提供するXensource社が発足し,現在では様々な企業がXenに対する支持を表明している。近年のIT環境でも,特に高い注目を集めている仮想化ソフトウエアの1つである。 Xenはオープンソース・ソフトウエアであり,今もなお発展途上にある。そのため,商用ソフトウエアのように,インストール手順がまだ確立されていない。使用するLinuxディストリビューションなどによって,仮想環境の構築方法は様々だ。そこで今回は,Xenのインストール方法を紹介する。 仮想OSを起動できたら,次は仮想OSをネットワークで接続してみよう。Xenの仮想ネットワークは,ドメイン上に仮想的なネットワーク・インタ
サーバ仮想化を実現するための技術がソフトウェア、ハードウェアの両面で出そろってきた。実導入に向けて高速化や管理機能の充実、Linuxカーネルでのサポート強化が進んでいる(編集部) サーバ仮想化とは、物理的には1台のサーバに複数のサーバシステムが動いているかのように見せたり、逆に複数のシステムを1つのサーバシステムであるかのように見せたりする技術だ。1970年代から存在する古い技術だが、近年とみにIT業界の注目を浴びている。 理由の1つは、仮想化がメインフレームに代表される高価なインフラだけでなく、x86ベースのハードウェアでも利用できる技術となってきたからだ。つまり、コモディティ化してきたサーバリソースをより効率的に利用する手段という位置付けである。足並みをそろえるようにCPUをはじめとするハードウェア側のサポートや仮想化ソフトウェアも充実している。導入に向けた準備は整いつつあるといえるだ
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