松田(左から2人目)は松本山雅FCでもピッチ上のリーダー、攻守の要として欠かすことのできない存在だ【宇都宮徹壱】 「やばい、やばい……」。そう呟きながら、松田直樹は受け身をとるような姿勢で、その場に崩れ落ちたという。 松田が松本山雅FCを“新たな舞台”に選んでから、半年が経過した。横浜マリノス一筋16年、『ミスター・マリノス』と呼ばれ、日本代表としてワールドカップやオリンピックを経験した大物プレーヤー。昨シーズン限りで横浜を離れ、新天地に選んだのは、JFLの松本山雅だった。元日本代表とJFLのクラブとの邂逅(かいこう)は驚きをもって伝えられた。 それから半年。JFLはリーグの半分を消化し、松本山雅は現在J2昇格に向けて奮闘を続けている。そして、その中心には松田がいると言って良い。ボランチ、あるいは3バックの中央として。ベテランならでは読みとポジショニング、またピッチ上のリーダーとして、