本連載では「中堅・中小企業」という表現を多用しているが、日本企業の実に95%は年商ベースでこれに入らない5億円未満(従業員数では20人未満に相当)の「小規模企業」が占めている。これらの小規模企業では中堅・中小企業にも増して「業績改善」という目的と「IT活用」という手段との距離が遠い。そこで本稿では年商5億円未満の小規模企業に焦点を当て、この距離を縮めるにはどうすれば良いかを考えていこう。 ノークリサーチでは年商5億円以上~50億円未満を「中小企業」、年商50億円以上~500億円未満を「中堅企業」、それ以上を「大企業」と定義している。だが、これらの企業をすべて足したとしても、その数は約20万社で、日本企業全体の420万社のわずか5%に過ぎない。これら小規模・零細企業が日本経済を支えているわけだが、これらの企業は人的、物的、資金的にも経営資源が限られているため、IT活用に課題を抱えているのも事