毎朝、ねこちゃんが「ふにゃーん」といって、下僕のベッドの横にちょこんと座ってこちらを見上げている。 朝、4時30分頃の儀式。 ねこは、ひとりのときも、ふたりで束になってくることもある。 うちのねこちゃんたちは、それ以上、爪を立てたり、腹の上に乗ったり、頬をなめたりということをしない。 ただ、近くに佇んでいるだけ。 「くーちゃん、もう少しがまんしようか。もうちょっとで、朝だよ」 僕がそういうと、 「にゃーん」 といって、そのままこちらを見ている。 僕は切なくなって、頭をなでる。そして水を換え、ご飯を出してしまう。 くーちゃんは、ご飯を出されたことに安心してか、少しのあいだ匂いを嗅ぐと、ロフトか、窓辺のほうへ、おしりを振りながら歩いていってしまうことが多い。