腸上皮は粘液層(ムチン層)に覆われ、腸管上皮細胞同士はタイトジャンクションで結びついています。ムチン層とタイトジャンクションは腸粘膜のバリアとして働いています。研究により、アッカーマンシア菌がムチン層を厚くし、タイトジャンクションを強化する作用を持つことが明らかになりました3,4)。アッカーマンシア菌は、高脂肪食などによって引き起こされた腸粘膜の透過性亢進を防ぐことにより、血中LPSを低下させて慢性炎症を防ぎます。つまり、メタボリック症候群や糖尿病の予防ができるのです5)。 腸内フローラ検査においてアッカーマンシア菌が“痩せ菌”として説明される由縁は、<図2>のように代謝性エンドトキシン血症による慢性炎症を抑制することができるからです。マウスを用いた実験によると、肥満マウスではアッカーマンシア菌が少なく、高脂肪食で飼育されたマウスにアッカーマンシア菌を移植すると血中LPSが低下して体重増加