(英エコノミスト誌 2009年12月5日号) 米国の政治家は失業率を早急に引き下げようと奮闘している。だが、それは容易なことではない。 高水準で、しかも上昇してゆく失業率以上に現役の政治家を不安にさせるものはないだろう。米国では、中間選挙を1年以内に控え、失業率が四半世紀ぶりの高さに達している中、バラク・オバマ大統領率いるチームと、労働者に弱い民主党議員の一団が何らかの手を打とうと躍起になったとしても何ら不思議はない。 オバマ大統領が12月3日にホワイトハウスで「雇用サミット」を開催し、米議会が新たな雇用対策の実現に向けて一気に動き出したのは、このためだ。しかし残念ながら、そんなに簡単な解決策は見つかりそうにない。 米国は戦後最も深刻な景気低迷に見舞われ、不況は雇用に対して、不釣り合いなほど大きな影響を及ぼしている。失業率は、通常生産高の落ち込みが示唆する以上の度合いと速度で上昇したのだ。