GAFAに代表される「巨大IT企業」に対してなんらかの規制が必要か。必要であるなら、どのようなものにするべきか。世界各国が頭を悩ませている大きな課題だ。 日本でも徐々に規制の枠組みづくりが進んでいる。国内ではあまり目立っていないが、実は各国は日本のやり方を注視している。その枠組みの概要と、現在の進行状況をお伝えする。 根幹にある「デジタルプラットフォーム取引透明化法」 もっとも最近の動きは、デジタル広告に関するものだ。2021年4月27日、政府のデジタル市場競争本部が「デジタル広告市場の競争評価」という報告書を公表した。デジタル広告市場の健全な発展のために、事業者に対して適用するいくつかのルール整備を求めている。 これは「デジタル広告」規制という単独のものではなく、デジタルプラットフォーム上での事業に対する多様な規制の枠組みの一つと捉えた方がいい。 枠組みの根幹にあるのが、2020年5月に