防衛研究所では、諸外国の著名な有識者を招いて、公開の場で意見発表及び意見交換を行い、安全保障対話の一助にするとともに、一般の方々の安全保障問題に関する認識の深化に寄与するための国際シンポジウムを毎年開催しています。 現在の安全保障上の課題、特にテロ、海洋の安全保障、自然災害をはじめとしてサイバー、宇宙をも含む非伝統的な分野においては、規範形成の視点からも多国間の協力が不可欠となっています。一方、アジア太平洋地域のパワーバランスの観点では、経済・政治・軍事のあらゆる面で台頭する中国が、長年にわたって当該地域の安全保障をその国力により担保してきた米国の主導的地位へ挑戦する状況が生まれつつあります。こうした米中の潜在的競合関係を軸とする戦略環境の変化の中、日本をはじめとする関係国は、海洋、領有権その他の問題への対応を迫られています。またこうした状況に加え、2012~2013年に地域諸国の多くの