日本という異世界 評価:★★★★ 4.0点 旅行、特に外国旅行に行ったとき、自らが関わっている世界から切り離され、迷子のように不安な気持ちになる事はないでしょうか? この映画は、そんな「自分を喪失=アイデンティティの喪失」していく旅行者の揺らぎを描いて秀逸だと思いました。 日本にやって来たハリウッド俳優のボブ・ハリス(ビル・マーレイ)は、サントリーウィスキーのCM撮影に望む。彼は、見知らぬ人びとに囲まれ、異国での不安を持つボブの元に、アメリカの妻から家の調度確認が、何度も入る。そんな東京のホテルのエレベーターで若いアメリカ人女性、シャーロット(スカーレット・ヨハンソン)と乗り合わせた。彼女は大学を卒業したばかりで、フォトグラファーの夫ジョン(ジョヴァンニ・リビシ)と結婚し、その仕事に同行してきたのだった。彼女は仕事で外出する夫を見送り、一人東京や京都を観光しても、孤独と不安を感じていた。