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ブックマーク / hirahi1.seesaa.net (59)

  • 映画『ロスト・イン・トランスレーション』日本という孤独/解説・あらすじ・ネタバレ・ラスト・感想

    という異世界 評価:★★★★  4.0点 旅行、特に外国旅行に行ったとき、自らが関わっている世界から切り離され、迷子のように不安な気持ちになる事はないでしょうか? この映画は、そんな「自分を喪失=アイデンティティの喪失」していく旅行者の揺らぎを描いて秀逸だと思いました。 日にやって来たハリウッド俳優のボブ・ハリス(ビル・マーレイ)は、サントリーウィスキーのCM撮影に望む。彼は、見知らぬ人びとに囲まれ、異国での不安を持つボブの元に、アメリカから家の調度確認が、何度も入る。そんな東京のホテルのエレベーターで若いアメリカ人女性、シャーロット(スカーレット・ヨハンソン)と乗り合わせた。彼女は大学を卒業したばかりで、フォトグラファーの夫ジョン(ジョヴァンニ・リビシ)と結婚し、その仕事に同行してきたのだった。彼女は仕事で外出する夫を見送り、一人東京や京都を観光しても、孤独と不安を感じていた。

    映画『ロスト・イン・トランスレーション』日本という孤独/解説・あらすじ・ネタバレ・ラスト・感想
  • 『ねらわれた学園』角川アイドル映画の変!/感想・あらすじ・ネタバレ・ラスト解説

    何を『ねらわれた』んだかワカラナイ『学園』 評価:★★     2.0点 私はこの映画を「守ってあげたい」ので、このレビューを書いています・・・・ え~分かってます。 そりゃ~私にも少しは、理性というものがあります! この映画は今から見れば、そりゃね、傑作とは言えません。 でもね、若かったとはいえ、あの大林監督です・・・・ それぁ~なんか、人には謀り知れない考えってもんが、おありになったに違いありません・・・・ <ねらわれた学園あらすじ> 第一学園の三田村由香(薬師丸ひろ子)は二学年に進学したある日、自分の超能力に気が付いた。由香は、友人の耕児(高柳良一)に打ち明けるが、彼は信じない。そんな時、京極(峰岸徹)と名乗る男が由香に近づく。京極は「英光塾」に通う生徒達を支配しているのだった。数日後、由香のクラスに高見沢みちる(長谷川真砂美)という不思議な能力を持つ転校生がやって来た。みちるは先徒

    『ねらわれた学園』角川アイドル映画の変!/感想・あらすじ・ネタバレ・ラスト解説
  • 『卒業』(1967年)アメリカン・ニューシネマの傑作は反戦映画だ!/あらすじ・ネタバレ・ラスト感想・解説・意味

    「花嫁盗人」の意味 評価:★★★★   4.0点 これは、恋愛映画だと思っていました。 好きな相手と、親の反対を押し切って結ばれる、純粋な愛の物語だと感動したものです・・・・・が <卒業あらすじ> ベンジャミン(ダスティン・ホフマン)は優秀な成績で大学を卒業し町に戻ってきた。そんなベンジャミンを両親は盛大なパーティーで迎えた。ベンジャミンはその騒ぎについて行けず、部屋に逃げこんだ。そんなベンジャミンにロビンソン夫人(アン・バンクロフト)が声をかけ、家まで送らせる。家に上がるようにベンジャミンを誘うと、ロビンソン婦人は裸になって彼を誘惑した。そのときロビンソン氏が帰宅し、その日は別れた。 しかし数日後、ベンジャミンは自分の方からデートを申し込み、二人は頻繁にホテルで密会するようになる。しかし、ロビンソンの娘エレーヌ(キャサリン・ロス)が学校の休暇で帰省して、両親により無理矢理エレーヌとつき合

    『卒業』(1967年)アメリカン・ニューシネマの傑作は反戦映画だ!/あらすじ・ネタバレ・ラスト感想・解説・意味
  • 映画『エリン・ブロコビッチ』巨額和解金ゲットの実話/ネタバレ・あらすじ・ラスト・感想・解説

    映画が描く勝利の対価 評価:★★★★   4.0点 最近、ハリウッド映画に『実話モノ』が増えたような気がするのは、私だけでしょうか? この映画もそんな一です。 エリン・ブロコビッチの半生を描いたこの映画は、実録ゆえの説得力と、ジュリア・ロバーツのタフなキャラクターの演技が感動を呼びます。 離婚歴2回、3人の子持ち無職のシングルマザーのエリン・ブロコビッチ(ジュリア・ロバーツ)は、貯金も尽きかけて、求職のための面接の帰り自動車事故に巻き込まれた。100%勝てるという引退間際の弁護士のエド(アルバート・フィニー)に依頼するが、和解金を取り損ねた。怒ったエリンはエドワードの法律事務所へ押しかけ、和解金の代わりに自分を雇えと強引に働き始める。 事務所で書類整理をしているとき、大手企業PG&E社が、建物購入に際し住民の健康診断書が添付されていた事に疑問を持つ。エリンは、現地調査に出向き、住民の声を

    映画『エリン・ブロコビッチ』巨額和解金ゲットの実話/ネタバレ・あらすじ・ラスト・感想・解説
  • トリュフォー『隣の女』危険な不倫映画/ネタバレ・感想・解説・あらすじ・ラスト

    映画音楽などばら色のレビューを目指します。独断と偏見の感想による最高5☆の評価をしています。 トリュフォーの凄み、男女関係の極み 個人的な評価:★★★★★5.0 愛を巡る物語を世に問うてきた、フランス・ヌーベルバーグの旗手、トリュフォー監督1981年の作品。 ジェラール・ドパルデューとファニー・アルダンの出演で、偶然、隣の家に越してきた昔の恋人との不倫愛憎劇を描く。 <隣の女あらすじ> ベルナール(ジェラール・ドパルデュー)は、アルレット(ミシェール・ボームガルトネル)と幼ない息子と暮らしている。ある日隣の家にボーシャール夫、夫のフィリップ(アンリ・ガルザン)、マチルド(ファニー・アルダン)が越してきた。偶然にもマチルドとベルナールは、昔恋人同士だったのだ。ベルナールとマルチドは、伴侶を裏切ることや、お互いに対するわだかまりがありつつも、交流を続けていった。そして一夜を共に過ご

    トリュフォー『隣の女』危険な不倫映画/ネタバレ・感想・解説・あらすじ・ラスト
  • 実話問題作『愛のコリーダ』阿部定事件を描く「超」猥褻映画/あらすじ・解説・ネタバレ・猥褻裁判

    しかし考えてみれば、ほぼ成人した男女がすべからく成すべき行為であってみれば、それを衆目に晒す事が猥褻というのであれば、その事象を明示するか秘匿するかによらず、人という存在自体が猥褻だという事になるであろう。 このような人間存在の根に或る命の奔流を、俗で猥雑なものと見なすのは、ひとえに西洋キリスト教の聖=神と俗=人間の二分律の下で人間来の在り様を歪められ曲げられてしまったためである。 少なくとも江戸期までの日において男女の交合は決してここまで隠蔽すべき行いではなかった。 そもそも、人が人を愛するというとき、純愛と性愛の区別に何ほどの意味があろうか? 人は他者を求めるとき、相手の全存在を我が物と成すまで狂おしく希求されずに、それを愛と呼べようか? この映画で繰り広げられる、男女の行為とは相手を完全に己の内に取り込み一体化しようとする、神々しい祝祭ではないか? その、お互いの歓喜に到る道は

    実話問題作『愛のコリーダ』阿部定事件を描く「超」猥褻映画/あらすじ・解説・ネタバレ・猥褻裁判
  • 映画『ミスティック・リバー』運命の3人を描いたあらすじとネタバレ・ラスト

    映画音楽などばら色のレビューを目指します。独断と偏見の感想による最高5☆の評価をしています。 運命の波紋 評価:★★★★★  5.0点 この映画の語り口の静けさにやられました。 クリントイーストウッド監督は、今作では役者の演技をその細部まで、長回しでじっくりと撮っています。 この映画のテーマによくマッチしたした話法だと思いますし、全てを明快に説明しない脚も、役者たちの表現に依存する部分が大きくなり、演技者は遣り甲斐があったのではないでしょうか。 結果的に出演者がアカデミー賞などで評価されたのも、イーストウッド監督のこの映画に対する演出姿勢によるものだと感じました。 <ミスティック・リバーあらすじ> ジミー(ショーン・ペン)、デイヴ(ティム・ロビンス)、ショーン(ケヴィン・ベーコン)の幼なじみ3人は、ボストンのイーストバッキンガム地区で育った。彼ら3人は、ボストンのイーストバッキンガ

    映画『ミスティック・リバー』運命の3人を描いたあらすじとネタバレ・ラスト
  • 映画『プラダを着た悪魔』女性の自己実現を問う/解説・あらすじ・ラスト・ネタバレ感想

    映画音楽などばら色のレビューを目指します。独断と偏見の感想による最高5☆の評価をしています。 プラダを脱いだら天使? 評価: ★★★★   4.0 やっぱり面白いですよね。 ハリウッド映画システムの底力ですかね~大したネタでなくても、スターシステムと編集者=エディターの力で、見ている間確実に楽しませてくれます。 女性なら、なおさら、見て損はない娯楽作です・・・・・・・ <プラダを着た悪魔あらすじ> 大学を卒業したアンディ(アン・ハサウェイ)はジャーナリストを志望しニューヨークにやってきた。新聞や報道各社の面接に落ち続ける。しかし、なぜか超一流ファンション誌ランウェイのカリスマ編集長ミランダ・プリーストリー(メリル・ストリープ)に気に入られ、アシスタントとして雇用される。しかしそこはシニア・アシスタントのエミリー(エミリー・ブラント)にこき使われながら、ミランダの横暴と無理難題の要求に

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  • ヴィスコンティ監督『ルードヴィヒ神々の黄昏』王族の芸術映画/あらすじ・感想・解説

    映画音楽などばら色のレビューを目指します。独断と偏見の感想による最高5☆の評価をしています。 ヴィスコンティの華麗なる復讐 評価:★★★★★ 5.0 この映画の監督ルキノ・ヴィスコンティは、イタリア公爵の末裔である。 ルキノ・ヴィスコンティ(Luchino Visconti, 1906年11月2日 - 1976年3月17日) は、イタリアの映画監督、脚家、舞台演出家、貴族(伯爵)。映画監督・プロデューサーのウベルト・パゾリーニは大甥。 1906年11月2日、イタリア王国ミラノで生まれた。実家はイタリアの貴族ヴィスコンティ家の傍流で、父は北イタリア有数の貴族モドローネ公爵であり、ヴィスコンティは14世紀に建てられた城で、幼少期から芸術に親しんで育った。ミラノとコモの私立学校で学んだ後、1926年から1928年まで軍隊生活を送った。退役後、1928年から舞台俳優兼セット・デザイナーとし

    ヴィスコンティ監督『ルードヴィヒ神々の黄昏』王族の芸術映画/あらすじ・感想・解説
  • 『グロリア』レオンの原形・元祖ハンサム・ウーマンの映画・あらすじ・感想・解説

    映画音楽などばら色のレビューを目指します。独断と偏見の感想による最高5☆の評価をしています。 グロリア俺も男だ! 評価:★★★★  4.0点 女主人公グロリアが、ま~カッコいい。 ホント、カッコイイんですッテ!! <グロリアあらすじ> プエルトリコ人家族がサウス・ブロンクスのアパートでマフィアに襲われる。家族は主人ジャック(バック・ヘンリー)ジェリ(ジュリー・カーメン)、祖母、そして10歳の姉と6歳のフィル(ジョン・アダムズ)の五人。ジャックは組織の裏帳簿を持っており、FBIと接触したことでマフィアに命を狙われたのだ。同じフロアに住むグロリア(ジーナ・ローランズ)がたまたまジャックの家を訪ね、秘密を記したノートを持っているとも知らずフィル少年を預かることにする。その後一家は惨殺され、子供嫌いのグロリアがフィルと共に逃亡劇を繰り広げる事になる。追い詰められたグロリアは、組織のボス・ト

    『グロリア』レオンの原形・元祖ハンサム・ウーマンの映画・あらすじ・感想・解説
  • 映画『メリーポピンズ』原作者トラヴァースの抵抗!/あらすじ・感想・解説・評価・反ディズニーのファンタジー

    映画音楽などばら色のレビューを目指します。独断と偏見の感想による最高5☆の評価をしています。 トラヴァース女史のファンタジー 評価:★★★★   4.0点 もう半世紀も前の作品ですが、実は、このミュージカル映画ディズニーらしくないと、ず~っと思っていました。 楽しく愉快な名曲に彩られた作品だと思いますが、ヤッパリ、ディズニー的なファンタジー世界とは違うと感じます・・・・ <メリー・ポピンズあらすじ> ロンドンの厳格な銀行家バンクス氏(デイヴィッド・トムリンソン)と、政治活動に熱心な(グリンス・ジョーンズ)は、二人の子供をナニー(乳母兼教育係)に任せているが居つかない。新しいナニーを募集したところ、パラソルを開いたメリー・ポピンズ(ジュリー・アンドリュース)と名乗る若い女性が空から舞い降りてきた。彼女は不思議な魔法を使い部屋をかたずけ、大道芸人バート(ディック・V・ダイク)の道路上

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  • 『武士の一分』山田洋次監督の「映画の一分」をネタバレ解説してみる。

    映画音楽などばら色のレビューを目指します。独断と偏見の感想による最高5☆の評価をしています。 鉄板、名人芸のはずが・・・映画の一分 評価:★★★    3.0点 山田洋次監督の名人芸を期待してみました。 『たそがれ清兵衛』というしっとりとした、武家社会の規律と侍としての悲しみを昇華させた傑作を見ているだけに、なおさら期待は高まります。 <武士の一分あらすじ> 東北の小藩に仕える下級武士・三村新之丞(木村拓哉)は、藩主の毒見役。の加世(檀れい)と小者の徳平(笹野高史)と暮らしている。ある日の毒見で、新之丞はつぶ貝の毒にあたって倒れ失明してしまう。一時は絶望した新之丞だが、加世の支えもあり生きることを考える。しかし役職を解かれて、今後の生活に不安が募る。加世は顔見知りの上級武士・島田藤弥(坂東三津五郎)の、助力を乞う。その後三村家の家名は存続し三十石の家禄もそのまま、という沙汰が下され

    『武士の一分』山田洋次監督の「映画の一分」をネタバレ解説してみる。
  • 映画『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』POVモキュメンタリー元祖/感想・あらすじ・解説

    「列車の到着」の跡に残る物 評価:★★★    3.0点 あなたは、3D映画で思わず「身をかわした」覚えがないだろうか? また映画の始祖、リュミエール兄弟の「ラ・シオタ駅への列車の到着」という作品は、劇場に来た観客をパニックに陥れたという。 映画という現実を整理できていない時代に、遠くから列車が近づいてくるのだから、恐怖を覚えて当然ではないか。 リュミエール兄弟の「ラ・シオタ駅への列車の到着」 もしこれが現実だったら間違いなく死ぬ。 たかだか娯楽の為に、命を賭けるわけにはいくまい。 この映画の持つ衝撃とは、「ラ・シオタ駅への列車の到着」と同様の効果を観客に与えたと感じる。 この映画『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』はPOV及びモキュメンタリーの元祖映画であり、既に映画史に残る一ではある。 POV(Point of View=主観映像)とモキュメンタリー POVと昨今呼ばれる、カメラの視線

    映画『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』POVモキュメンタリー元祖/感想・あらすじ・解説
  • 映画『東京公園』現代日本の「のどけき光」/あらすじ・解説・感想・意味

    「東京公園」に集う若者 評価:★★★★   4.0点 この静かで、端正な、澄んだ光のスナップ写真を重ねたような映画を見て、現代日の若者が持つ感覚が表されているように思いました。 幼少期に無くなった母親の影響でカメラマンを目指している大学生の光司(三浦春馬)は、東京の公園を訪れ家族写真を撮影している。光司は、彼にしか見えない高井ヒロの幽霊(染谷将太)と同居し、ヒロの恋人だった富永美優(榮倉奈々)も、光司の家を訪ねてくる。また光司は、ゲイの原木健一(宇梶剛士)のバーでアルバイトし、光司の義理の姉・美咲(小西真奈美)と富永は、このバーの常連客である。 そんな、ある日歯科医の初島(高橋洋)から、初島百合香(井川遥)を尾行し密かに撮影して欲しいと、バイト料を積まれ頼まれる。依頼主であるの態度に光司は迷いを感じながらも、なかば強制されるように依頼を受ける。初島の百合香が娘と東京の公園をいくつも

    映画『東京公園』現代日本の「のどけき光」/あらすじ・解説・感想・意味
  • 『バトル・オブ・メキシコ・シティ』これはロックの宣戦布告だ!

    映画音楽などばら色のレビューを目指します。独断と偏見の感想による最高5☆の評価をしています。 ゲリラ戦の兵士達の叫び 評価:★★★★★  5.0点 「レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン」=「権力に抗う怒り」というのが直訳のバンド名だ。 レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)は、アメリカ合衆国のロックバンド。 1990年にカリフォルニア州ロサンゼルスで結成された。英語圏ではRATM、日においてはレイジという略称で呼ばれる。 「レッド・ツェッペリンとパブリック・エナミーの融合」と呼ばれる特徴的なサウンドと、マルコムX、チェ・ゲバラ、マーチン・ルーサー・キング・ジュニアなどから思想的影響を受けた政治メッセージを持つ歌詞が特徴。彼らのライヴにおいてはしばしばゲバラの肖像画が掲げられ、アンプの前などに星条旗が

    『バトル・オブ・メキシコ・シティ』これはロックの宣戦布告だ!
  • 『ギルバート・グレープ』自己犠牲の映画/感想・あらすじ・解説・ネタバレ・ラスト

    自己犠牲ということ 評価:★★★★ 4.0点 この映画に描かれた、ジョニー・ディップ演じる主人公ギルバート・グレープの姿に胸が痛くなります。 ここに描かれているのは、家族の為に自らの人生をささげる自己犠牲の姿です。 そんな主人公を当時30歳のジョニー・ディップが演じ、さらに19歳のレオナルド・ディカプリオが、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされるぐらい、知的障害をもった弟アニーをしっかり演じています。 24歳のギルバート・グレイプ(ジョニー・デップ)は、アイオワ州の田舎町エンドーラで生まれ、その町から外に出た事も無い。しかし彼には町を離れられない家庭の事情があった。知的障害を持つ弟アーニー(レオナルド・ディカプリオ)は眼を離すと騒ぎを起し、母のボニー(ダーレーン・ケイツ)は過症で身動きもままならないほど肥満した母、そして姉エイミー(ローラ・ハリントン)と妹エレン(メアリー・ケイト・シェ

    『ギルバート・グレープ』自己犠牲の映画/感想・あらすじ・解説・ネタバレ・ラスト
  • 映画『ダウン・バイ・ロー』ブルースを奏でるカルト作品/あらすじ・ネタバレ・解説・感想

    ブルース・バイ・ジャームッシュ 評価:★★★★★  5.0点 この映画「ク・セ・が・ス・ゴ・イ~」と呻る一なのである。 ジム・ジャームッシュ監督のインディペンデンス映画。 ハリウッド映画の整理された映画を見なれた眼で見ると、新鮮な表現スタイルに思える。 <ダウン・バイ・ローあらすじ> ルイジアナ州ニューオリンズにすむチンピラでポンびきのジャック(ジョン・ルーリー)は、彼女のボビー(ビリー・ニール)とケンカ中。そんな時、商売敵のギグ(ロケッツ・レッドグレア)の画策で刑務所に投獄される。また、ディスク・ジョッキーのザック(トム・ウェイツ)は1000ドル支払うから車を運送しろという話にのって、死体入りの車とも知らず運転し逮捕される。その二人が刑務所の同房に入れられ顔を合わせる。そこにロベルト(ロベルト・べニーニ)というイタリア人が殺人の罪で入牢する。三人の間に徐々にコミュニケーションが生まれ、

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  • 映画『グランドブタペストホテル』コレ、つまんなくない!?/あらすじ・解説・感想・批判・マニエリスム

    この映画を見て、マニエリスムという言葉を思い出した。 【マニエリスム】 マニエリスム (伊: Manierismo ; 仏: Maniérisme ; 英: Mannerism) とはルネサンス後期の美術で、イタリアを中心にして見られる傾向を指す言葉である。美術史の区分としては、盛期ルネサンスとバロックの合間にあたる。イタリア語の「マニエラ(maniera:手法・様式)」に由来する言葉である。ヴァザーリはこれに「自然を凌駕する行動の芸術的手法」という意味を与えた。(Wikipediaより引用) つまりマニエリスムとは、人工的に美を構築しようとする芸術的手法であり、美しいと思えばデッサン的に歪ませ引き伸ばして構図的な完成度を高めたり、ことさら寓意を加えて絵に哲学的な趣向を凝らしたりした。 その技法の質は「自然の持つ写実美」ではなく「人工的な虚構美」に対する飽くなき追求であったろう。 この映

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  • ゾンビ映画『マギー』シュワちゃんの新境地/感想・あらすじ・感想・評価

    映画音楽などばら色のレビューを目指します。独断と偏見の感想による最高5☆の評価をしています。 哀愁のゾンビ 評価:★★★★   4.0点 娘として守るのか━。ゾンビとして殺すのか━。 この映画には見事にダマされたと思った2つの点と、ちょっとどうなのというダマシが一つありました。 しかし、いっそ清々しいくらいの裏切りに思わず拍手をしてしまいました。 またこの映画の持つ表現トーンは、まるで日映画を見るような静かな姿をしており、どうしようもない運命に耐える人間を描くためにふさわしいと感じました。 <マギーあらすじ> 感染するとゾンビ化する壊死性ウイルスがパンデミック化した近未来のアメリカ。16歳の少女マギー(アビゲイル・ブレスリン)もこのウイルスに感染し家出をするが、父のウェイド(アーノルド・シュワルツェネッガー)が捜し出し家へと連れ帰る。家には継母にあたるキャロライン(ジョエリー・リチ

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  • ボブ・ディラン名曲『天国への扉』歌詞和訳と、名演紹介!ついでにノーベル文学賞受賞問題

    映画音楽などばら色のレビューを目指します。独断と偏見の感想による最高5☆の評価をしています。 ノーベル賞騒動に物申す! ボブ・ディラン(英語: Bob Dylan、1941年5月24日 - ) アメリカのミュージシャン。出生名はロバート・アレン・ツィンマーマン(Robert Allen Zimmerman)だが、後に自ら法律上の名もボブ・ディランに改名している。 「風に吹かれて」、「時代は変る」、「ミスター・タンブリン・マン」、「ライク・ア・ローリング・ストーン」、「見張塔からずっと」、「天国への扉」他多数の楽曲により、1962年のレコードデビュー以来半世紀以上にわたり多大なる影響を人々に与えてきた。現在でも、「ネヴァー・エンディング・ツアー」と呼ばれる年間100公演ほどのライブ活動を中心にして活躍している。 グラミー賞やアカデミー賞をはじめ数々の賞を受賞し、ロックの殿堂入りも果た

    ボブ・ディラン名曲『天国への扉』歌詞和訳と、名演紹介!ついでにノーベル文学賞受賞問題