選書日本中世史 1 武力による政治の誕生 (講談社選書メチエ) 作者: 本郷和人出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/05/07メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 51回この商品を含むブログ (12件) を見る うーん、なんと言ったらいいのか。他の著作を読んでみないとなんともいえないが、枠組みと実証の間が弱いように思う。史料編纂所勤務で史料の扱いには長けているのだろうけど。 「権門体制論」批判が主体のようだが、どうも批判し切れていないように思う。このあたりの学説史は完璧に門外漢だが、それなりに当を得た枠組みだと思う。著者の認識は、「暴力」をどう捉えるかと、「文」と「武」を対置する二元論の二点で限界をはらんでいるように思う。 これまで何度か書いてきたことだが、わたしはこの権門体制論を受容することができない。天皇が将軍を、朝廷が幕府を。いわば「文が武を」おさえこむ、という図