連載の折り返し地点をすぎ、「これから後半ですよ」ということを前回の話で宣言したわけだが、それから一度も更新しないままなんと半年もの時間が流れてしまった。読者の中には首を長くして、更新を待っていた方もいるのかもしれない。遅くなってしまい、本当にすいませんでした。 ノンフィクション作家にとっての本 この連載以外の取材に取り組んでいたことも、更新が滞った一因である。では、いったい何をしていたのか。いまも続いている本の増殖と絡めて、個々の仕事のことについて言及してみたい。 僕が追いかけているテーマのひとつに日本の国境問題がある。本を何冊か出したので、そろそろ次のテーマへ完全移行したいのだが、そうもいかない。尖閣諸島では付近の海に中国の公船が常駐するようになったし、竹島も韓国の閣僚が毎年夏に上陸するようになったりと、国境問題はここ数年で膠着し、日常化してしまったためだ。加えて昨年の尖閣国有化を巡る裏