「新しい歴史教科書をつくる会」の元幹部らが編集した育鵬社(いくほうしゃ)の中学教科書をめぐり、勤務先から採択推進運動に協力を求められ苦痛を受けたなどとして、東証1部上場の不動産大手・フジ住宅(大阪府岸和田市)で働く在日韓国人の40代女性が8月31日、会社側に慰謝料など3300万円の賠償を求める訴訟を大阪地裁岸和田支部に起こした。 女性は2002年からパート社員として勤務。訴状によると、社内では一昨年ごろから中国や韓国を批判する書籍や雑誌記事のほか、それらを読んだ社員が「中国、韓国の国民性は私も大嫌い」などとする感想文のコピーがほぼ連日、フジ住宅の会長(69)名で社員に配られたという。 今年5月には、太平洋戦争について「欧米による植民地支配からアジアの国々を解放」するとの目的が掲げられた点などを強調した育鵬社の教科書を称賛する文書を配布。各地の教育委員会が採択するよう、社員が住所地の市長や教