ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、自民党は防衛費の増額圧力を強めている。安倍晋三元首相はその財源として、新たに国債を発行すべきだと提唱した。恒常的な借金が可能となるいわば「防衛国債」で、かねて主張する「戦後レジームからの脱却」の狙いもあるという。 安倍氏は4月14日の安倍派会合で、防衛予算を国内総生産(GDP)比2%へと、現行の1%程度から倍増させるべきだと強調した。自民党が岸田文雄首相に出した提言も同様の趣旨だ。2022年度予算で計上された防衛関係費は5兆3687億円。倍増すれば10兆円超となる。 安倍氏は倍増させるための財源について「道路や橋を造る予算には建設国債が認められている。防衛予算は消耗費と言われているが、間違いだ。まさに次の世代に祖国を残す予算だ」と言及し、国債を活用すべきだとの考えを示した。 国債は、国が借金のために発行する債券のことだが、無制限に出せるわけではない。後の