大王製紙創業家の3代目として、エリート街道を邁(まい)進(しん)してきた前会長の井川意高容疑者(47)。御曹司はなぜ常識外れの巨費を投じてカジノにおぼれたのか。その水先案内人になったのは、都心の繁華街に根を下ろす“闇の紳士”たちだった。有象無象 井川容疑者は、大王製紙創業者である故伊勢吉氏の直系の孫で、3代目に当たる。名門・筑波大付属駒場高校から東大法学部に現役で進学。卒業後の昭和62年に大王製紙に入社し、わずか4年で常務に昇格するなど、常に日の当たる道を歩んできた。 「柔らかい物腰で、部下の意見にもきちんと耳を傾け、ワンマンといわれた父で元社長の高雄氏とは対照的なタイプだった」(同社関係者)。 だが、夜な夜な豪遊を繰り返す別の顔もあった。“本拠地”に据えたのは東京・六本木や麻布周辺の繁華街。井川容疑者に近い関係者は「高雄氏ら会社関係者が顔を見せる銀座を避け、気にせずに遊べる場所を探して六