黒い箱のような大阪中之島美術館。北側ではヤノベケンジさんの作品が来館者を迎える=大阪市北区で2022年1月28日、菱田諭士撮影 全国の公立美術館で、お披露目までこんなにも年月を要した例は他にないだろう。大阪市が構想を打ち出してから実に39年。優れた近現代美術コレクションを誇る「大阪中之島美術館」(大阪市北区)が2月2日、いよいよ開館する。バブル経済と崩壊、平成不況にインバウンド景気、そして新型コロナウイルス禍……。幾度も逆風にさらされ、ビジョンの練り直しを重ねてきた。船出を迎えた今、「時代に応えるミュージアム」としてどんなかじ取りを目指すのか。 「目玉」購入後にバブル崩壊 「『活動する美術館』としてこうして披露できることを幸せに思う。多くの方々にいろんな角度で楽しんでいただきたい」。開館に先立ち、1月28日に開かれた記者内覧会で、菅谷富夫館長(63)は語った。展示室の総床面積は約3100平