2008年10月9日のブックマーク (1件)

  • 死後の世界は認められつつある - 久幸繙文 電子版

    私は最初、その男が何を言いたいのか理解できなかった。あまりに突然の物言いだったし、それ以前に内容があまりにも突飛すぎたからだ。耳を疑うということを、私は生まれて初めて『当に』試してみたような気がする。 「要するに、だね」 男は大仰に両手を広げると、にやにやと勝ち誇ったような笑みを浮かべて言った。 「現代科学は、徐々にではあるが『死後の世界』を認めつつあるのだよ」 そんなバカな話があるものか。少なくとも私が知る限り、現代科学が『死後の世界』を認めたなどという話は聞いたことがない。もし証明されたとすれば、新聞のトップ面はおろか、ノーベル賞ものの発見といえるだろう。何賞にあたるのかは知らないが。 「確かに、直接的に認めたわけではないがね」 「それではなんですか、あなたは人には魂だの霊だのが宿っていて、それが死ぬと天国や地獄に行くとでも言うのですか?」 男は静かに首を振る。 「『霊魂』の存在を認