政府・与党が秋の臨時国会の召集を見送る考えだという。 日本の経済、社会に大きな影響を与える環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)が大筋合意にこぎつけた。内閣の顔ぶれも大幅に変わった。 国会を通じて国民に説明すべき内容はいくらでもある。「召集の必要性は感じない」と口にする政権の鈍感さにはあきれる。 安倍晋三首相の外遊日程が立て込んでいる、などと理由にならない事情を挙げている。国会を開けば、よほど都合の悪いことがあるのか。いらぬ疑いも招こう。 堂々と国会を開き、目指す政治の道筋を語るときである。 議会制民主主義のもと、国会議員は国民の代表である。国政の重要案件について、政府に疑問点をただし、建設的な討論をする重責を担っている。 政府には、国会で説明を尽くす義務がある。それは国民への説明でもある。召集しなければ党首討論も今年はもう開かれない。 安倍首相は、世界の国内総生産(GDP)の4割近くを占め