ビジネスパーソンならば「孫子の兵法」を一度は聞いたことがあるだろう。2000年以上昔に中国で書かれ、古くはナポレオンが愛読書とし、現代でも米軍が必修科目にしているほど西洋でも有名だ。 一方、日本人の国民性として、ディベートや交渉が下手なことは世界的に有名である。こんな状態で、本来ディベート好きな西洋人や本家の中国人から、ビジネスの場で「孫子的」に論争を吹っかけられたらどうなるだろう。ますます日本人はグローバル経済で不利な戦いを強いられていくことになる。 とりわけ、若いうちは独り仕事をすることが多いせいか、IT技術者の中には、交渉や論戦に苦手意識を持つ人が特に多いというイメージがある。職場や他部門との会議などで、通したい主張を思うように通せず、悔しい思いをしたことのある人は読者の皆さんの中にも多いのではないだろうか。 とはいえ、幸いなことに日本人は年齢を重ねるほど、歴史好きになることが多い。