足跡専門の広域技能指導官に任命された鑑識課の原忠嗣調査官=広島市中区の広島県警本部で2017年4月25日、東久保逸夫撮影 「歩いた分だけ、靴に人が宿る」 卓越した技能を持つ捜査員が選ばれる警察庁指定の広域技能指導官に、約36年にわたり足跡鑑定に携わってきた広島県警鑑識課調査官の原忠嗣(ただし)さん(55)が24日、任命された。同指導官の指定は県警4人目で、現在、現役警察官の足跡分野の指定は全国で2人という。現場に残された靴跡から犯人の手かがりを探し出し、捜査を支えてきた。「たかが足跡と言われるが、容疑者を絞る重要な証拠だ。同じものは一つもなく、飽きることはない」とさらなる技術の向上に意欲を示す。 原さんによると、物証は直接犯人に結びつく指紋やDNAが中心と思われがちだが、足跡には身長や体型など犯人像に結びつく情報が数多く潜むという。