オペラ「悲しき道化師」の舞台に立つ園井恵子さん(左)=1936年、東京宝塚劇場(藤岡宏さんの遺族提供) 慰問先の広島で被爆し、32歳で亡くなった元タカラジェンヌの女優園井恵子さんが、宝塚歌劇団の前身「宝塚少女歌劇団」時代に出演したオペラの映像フィルムが横浜市で見つかった。現存する戦前の舞台映像は少なく、専門家は「日本オペラ史の資料として貴重」としている。 映像は白黒、無音で、19世紀に作られたイタリアのオペラを基にした「悲しき道化師」が約5分間撮影されていた。園井さんは準主役の道化師をコミカルに演じ、1936年に東京宝塚劇場で上演された。 岩手県出身の園井さんは29年に歌劇団に入り、退団後の43年に出演した映画「無法松の一生」の好演で脚光を浴びた。戦時中は軍事施設などを公演で回る移動劇団「桜隊」に参加し、広島で被爆。約2週間後に息を引き取った。 見つかった映像は宝塚ファンで2009